高感度インフルエンザ迅速検査システムの導入

湘南台あかちゃんこどもクリニックでは、高感度インフルエンザ迅速診断システムを導入しています。保育所・幼稚園・学校でインフルエンザが流行し、子どもが悪寒や高熱が出て体がだるい、インフルエンザだと思い受診しても「すぐに検査をしても結果が出ません。明日の朝まで熱が続くようだとまた来てください」などとせっかく受診したのに、抗インフルエンザウイルス薬が処方されず、帰られた方は多いのではないでしょうか。

高感度インフルエンザ迅速検査システムの特徴

クイック チェイサー Immuno Reader

今回導入した高感度インフルエンザ迅速検査システムの特徴は、ウイルス量が少ない発症後(発熱・悪寒・倦怠感)4時間でも陽性結果を出すことができるほど、診断精度が大幅に向上しました。
小児科では小さなお子さんを守るためにもインフルエンザの重症化や二次感染を防ぐために、発症後間もない段階で迅速かつ正確な診断が必要です。

今までのインフルエンザ迅速検査キットでは、発症後間もない時期の正確な診断が困難でした。しかしこの高感度インフルエンザ迅速検査システムを使用することで発症後4時間で正確な判定結果を得ることができます。

今までのインフルエンザ迅速診断キットとの違い

インフルエンザウイルスは増殖が非常に速く、1 個のウィルスが24 時間経過すると100 万個に増えるといわれています。そしてインフルエンザウイルスの増殖を抑える抗インフルエンザウイルス薬は発症後48 時間以内に服用しなければいけません(2018年春に1日に1回で効く抗インフルエンザウイルス薬が発売されました)。

従来のインフルエンザ迅速検査簡易キットには問題点があります。発熱してから8時間以上経過しないと検査で陽性にならないこともあります。また発症後間もない時期では検査結果が偽陰性(実際はインフルエンザにかかっているが陽性にならず陰性となる)で、高熱のまま経過を見て翌日再検査しなければなりませんでした。

当院では発症後間もない時期は高感度インフルエンザ迅速検査システムを使用し、従来の迅速検査でも正確な判定ができると判断した場合(発症後8時間以上経過した場合の検査結果の差はほとんどありません)は患者さんの待ち時間と検査結果までの待ち時間を考慮し、従来の迅速検査を使用いたします。

高感度インフルエンザ迅速検査システムの利点

  1. 発症後4時間後でもインフルエンザの診断が可能
  2. 発症してすぐだからと検査をせずに経過を見たり、翌日再検査をすることが減る

インフルエンザウイルス以外のウイルスも検査が可能

高感度インフルエンザ迅速検査システムはインフルエンザウイルスだけを診断するのではありません。下記の感染症に関しても診断ができます。

  1. マイコプラズマ
  2. RSウイルス
  3. A群ベータ溶血連鎖球菌(溶連菌)
  4. アデノウイルス