マイコプラズマ肺炎

小児にかかりやすい病気「マイコプラズマ肺炎」

細菌とウイルスの中間の大きさと性質を持ったマイコプラズマという病原体が引き起こす肺炎です。マイコプラズマに感染しても全員が肺炎になるわけではありません。感染した約10%の方が肺炎になると言われています。
主な感染経路は手すりやドアノブなどを触って感染する接触感染や咳やくしゃみなどによる飛沫感染です。インフルエンザのように大々的に流行するのではなく、家庭や学校など限られた範囲で流行します。潜伏期間が2~3週間程度と長く、発症すれば激しい咳、発熱が主な症状です。

気管支炎と診断され抗菌薬を服用し熱が下がらなかったり咳が長引く場合、マイコプラズマ肺炎だったということもあります。マイコプラズマ感染初期は風邪や気管支炎と診断されることが多いですが、再診時に聴診で胸の音を聴くことで予測され、レントゲンや血液検査で診断できます。

治療

マクロライド系の抗菌薬を適切な時期に服用すると2~3日で解熱します。肺炎だからといって入院しなくても治療することができます。

家庭で気をつけること

  1. 食べ物 子どもが好きなもので消化のよいものを食べさせてください。
  2. 入浴 疲れさせないように長風呂は控えてください。お風呂でサッパリさせるのはよいでしょう。

こんな時はもう一度受診しましょう

高熱が続いたり激しい咳が続いて元気がないようだと受診してください。

登園・登校の許可

マイコプラズマ感染は登園・登校の許可に基準はありませんので、熱が下がったら受診してください。ただし1週間程度は園や学校を休ませましょう。

監修者情報

及川 茂輝 院⻑

東京大学文学部大学院終了後、福島県立医科大学医学部に入学。その後、神奈川県立こども医療センター、国立病院機構横浜医療センター、横浜市立大学医学部付属病院での勤務を歴任。「あかちゃんとこどものために世界で一番よいクリニックを創る」ことを使命とし、育児に悩むお父様、お母様の気持ちに寄り添う医師として診療を行う。・日本小児科学会認定 小児科専門医
・日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医