小児肥満

近年、肥満症のお子さんが増加しています。子どもの肥満は成人と違って病気にならないと思われている方もいますが、そうではありません。肥満のお子さんの一部が脂質異常症・高血圧・糖尿病などの生活習慣病を知らないうちに発症していることもあります。

小児にかかりやすい病気「小児肥満」

治療

子どもといっても、長い間培われてきた食生活や生活習慣を見直して、ひとつひとつ変更していくのは大変なことです。ただ、大人の肥満と違い、治療をがんばるのは本人のみならず、周囲の大人の努力が必須です。周囲の大人がこれまでの食生活や生活習慣を見直し、本人の環境を整えてあげることで自然と生活習慣が改善されていくことが理想です。

しかし、大人のような短期間のダイエットはできません。子どもは心身の成長を正常に保ちながら、肥満を解消していく必要があります。そのため、場合によっては治療にかかる期間が年単位になることもあります。毎回の診察の中で食事や生活の内容を相談しながら、お子さんやご家族にも実現可能な方法を探っていくことになります。

また、脳の障害やホルモンの異常により肥満を生じる場合もあります。その場合は、病気に対する治療を行う必要があります。

肥満のリスクを高める生活習慣

以下の生活習慣は肥満のリスクを高めると言われていますので気を付けましょう。

  1. 運動をしない 最近、ほとんど歩かない、運動をしないというお子さんが増えています。運動の習慣がないと体に筋肉がつかず、より太りやすい体質になります。
  2. 早食い 満腹中枢が刺激されるまで時間がかかります。ゆっくり食べないと、満腹中枢が刺激されず、食べ過ぎてしまい、そのため肥満のリスクを高めます。
  3. 夜20時以降の食事 夜遅くになってからの食事は、脂肪として蓄積されやすくなります。

肥満でお悩みのお子さんがいるご家族へ

子どもの肥満の原因は、ほとんどが生活習慣によるものです。そのままにしておくと、高血圧や糖尿病などの生活習慣病で苦しむ可能性があります。肥満で大事なことは、体重を減らすことよりも、生活習慣を見直すという考え方が大事です。生活習慣を改善しても症状が改善されない場合は、何らかの病気が原因である可能性の場合もあります。気になる方は当院までご相談ください。

監修者情報

及川 茂輝 院⻑

東京大学文学部大学院終了後、福島県立医科大学医学部に入学。その後、神奈川県立こども医療センター、国立病院機構横浜医療センター、横浜市立大学医学部付属病院での勤務を歴任。「あかちゃんとこどものために世界で一番よいクリニックを創る」ことを使命とし、育児に悩むお父様、お母様の気持ちに寄り添う医師として診療を行う。・日本小児科学会認定 小児科専門医
・日本アレルギー学会認定 アレルギー専門医